何故、塾を続けるんですか?①
ここまでは塾を否定することを書いているように思われるかもしれませんが、決してそうでありません。
何度か申し上げた通り、私自身も塾を経営していました。
ただ、塾のあり方、ご家庭の塾の捉え方に関しては常々疑問を持っており、このブログもその疑問から出発しています。
今、塾にお子さんを通わせている方(成績優秀者は除く)で今のお子さんの状況に満足されている方はどれくらいるのでしょうか?
塾を経営していた身からすれば、ほぼ全てのご家庭が満足していると答えて欲しいと思いますが、違うでしょう。
ほとんどのお子さんは現状維持か、若干テストの点数が上がったくらいの状況で足踏みしており、その状況が長く続いたり、子供のやる気が見られなくなったら転塾を検討・・・。
と言ったあたりではないでしょうか?
成績が上がらず、勉強に困って、良さそうな塾を探す。
勉強に困っているということは、もちろんどこかに原因があります。
面談では普段の学習状況などをヒアリングされ、塾の指導システムを説明されると思います。
集団指導では授業見学、個別指導では体験指導があり、苦手な単元をわかり易く説明してもらいます。
そして、家に帰って家族会議を行い、頑張るなら、続けられるなら塾に入ろうとなります。
勉強に困っているので、簡単に成績が上がらないことはわかっている。
塾側もある程度お子さんの頑張り具合を見ながら微調整して、個別カリキュラムで指導を・・・、と言う流れなので3~6か月くらいは余裕で様子見をしますよね。
その間、塾からは毎月指導の報告が届き、ちゃんと指導してくれているのは分かるはずです。
なので成績は上がらないけど、塾には指導と別に自習にも行ったりしているし、頑張る気が無い訳じゃないみたいだからもう少し続けてみよう。
なんてしている間に1~2年平気で過ぎてしまいますね。
そして、ある日、『全然成績上がらないけど行ってる意味あるの?』
と言うような口論が始まり、塾を辞める辞めない問題に発展するパターン。
または、成績上がらないけど、塾に行ってなかったらもっとひどいことになってたかもしれないからしょうがなく最後まで続けるパターンでしょうか。
勉強に困って塾探しをすることがいけないという理由がここにあります。
塾を辞めるという選択がなかなかできないんです。
自分で自分の首を絞めることにもなりかねませんが、成績が上がらないなら塾に行くべきではないんです。
そこの塾に問題があるので、転塾しましょうと言っているのでありません。
お子さんは塾に行く行かないを悩む以前の問題を抱えていて、それを克服しない限りどれだけ塾に行っても成績は上がりません。
勉強に困って塾に行くようになり、成績が上がるレアケースはもちろんあります。
『〇〇先生の熱意ある指導で、子供にやる気が出てきた!』
『まわりのお子さんに良い刺激を受けて頑張っています!』
このような例はもちろんあります。
ただ、それがレアケースだということは、塾のホームページをみれば分かると思います。
その塾で、勉強に困っている生徒の多くが、勉強が得意になったり、成績が上がったりしたのであれば殊更その事例を宣伝として載せる必要がないと思いませんか?
『生徒10人中8人が劇的に成績が上がりました!』
そんな例を見たことがありますか?
なかなかない事例だからこそ、宣伝に使う価値があるんです。
塾は余程の事が無い限り入塾を断ることはありません。
ビジネスですから当たり前ですが、困っているご家庭程入塾して欲しいと思います。
しばらく面倒をみれば成績が上がらないだろうということは分かりますが、
指導回数やコースを増やす提案はしても解約の提案はしません。
中途半端に増やしてもそこまで効果がでないことも分かっていますが、
ご家庭の予算を値踏みしながらも増加のお願いをするでしょう。
それでも、せっかくお世話になったのだからなるべく我慢して通わせてみようと思うのでしょうが、本気でお子さんが苦手な勉強を克服することを望むのであれば、
成績が上がらない塾は短期間ですっぱりと辞め、塾を探すのではなく、その前段階の問題に向き合うべきだと思います。
これは、劇的に成績が上がった場合でも同じことです。
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