教科書を読むだけで本当に成績が上がるのか疑問に思われる方もいると思います。
テストは基本的に教科書に書かれている内容を元に作られるので、繰り返し読み、内容を覚えることを意識すれば確実に成績は上がります。
最初はただ読むところから始めてみましょう。
勉強に苦労しているお子さんはまず、教科書を読むことだけでも苦労すると思います。
それは、学校で配られるプリントや優しい参考書などをメインに学習しているからです。
学校で配られるプリントや優しい参考書は、教科書の要点を抜き出したり、更にかみ砕いてわかりやすくなるように作られていますが、それに慣れてしまうと、お子さんの大事な『読解力』が鍛えられないままになってしまいます。
覚えて欲しいことをシンプルに、覚えやすくすることは学習の助けとなるように思えますが、長い目で見れば邪魔をしていることと同じです。
簡単で分かりやすいものしか覚えられない、覚えようとしないお子さんが自分の力で、目的のために勉強すると思いますか?
ほとんどの方が、NOとおっしゃるのではないでしょうか。
最初から自転車に乗れる方も中にはいるかもしれませんが、ほとんどの方は乗れるまで何度も練習したはずです。
補助輪を使った方もいるのではないでしょうか?
その補助輪が、優しい参考書であり、塾であったりするのです。
自転車に乗れるようになってから補助輪を使う必要が無いのと同じように、勉強の仕方がわかった後は優しい参考書も塾も必要ありません。
もちろん、教科書を読むだけではテストで満点レベルを取ることは難しいでしょう。
同じ教科書レベルの問題でも、バリエーションは多岐に渡るので、それに対応するためにテスト前や実力を確認したい時などは問題集を解きましょう。
教科書と教科書では足りない演習を行うための問題集があれば勉強に困ることはありません。
その状態になるためには教科書に慣れなければいけません。
なので、何度も読むのです。
分からなくてもいいので、繰り返し読む。
少し日を空けて読むんです(当然、他の科目・範囲の教科書を読んでいるから日が空きます)。
そうすると、以前は理解できなかった内容がなんとなく理解できるようになります。
もちろん人によってその程度は異なりますが、確実に読めるようになります。
単語の意味、使われ方などが理解できるようになるので、頭に入ってくる量が変わってきます。
以前読んだ時の記憶も脳内には残っているので、理解を助けてくれます。
これを継続して行うのが正しい学習です。
今分からないことを分かるようになるまで続けなければ勉強ができるようにはなりません。
多くの塾は指導で分かるようにしてくれると思いますが、それは正直見せかけです。
見せかけの学力を維持しなければいけないので、回数が増え、月謝も増えるのです。
最近、国際学習到達度調査(PISA)の調査結果が公表されましたが、
2019年の日本の高校生の読解力は15位まで低下していました。
2012年は4位、2015年は8位で今回が15位と調査をするたびに順位を落としています。
何故でしょうか?
単純に読書離れを挙げる意見もありました。
もちろんそれを否定する材料はありませんが、
原因の中に、お子さんがわかり易い、理解し易い形でしか情報が提示されていないことがあると思います。
分かりやすく図示されたり、要点を上手くまとめていたり、と言った情報は、一昔前であれば自分でノートを作ったり、時間をかけて調べなければ手に入れることが出来ませんでした。
その過程こそが学力を向上させる正しい学習法であることは、教育者であれば当然理解しているはずです。
にも拘らず、わかり易い指導を売り物にする塾があり、わかり易い参考書を売る教材会社があり、ネットを駆使して学習習慣を身に付けさせる教育会社があります。
これらの多くがお子さんから『読解力』を奪う原因なのではないかと思っています。
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