教科書をベースにして、内容を覚えていく。
これが学習の基本です。
ですが、最初から全てを覚える必要もありませんし、例えば数学などは答えや解説の無い練習問題は解かなくて大丈夫です(宿題の場合は別です)。
例題をみて解き方を読むだけでも大丈夫です。
筆記用具やノートに書く必要もそれほどありません。
書いても一度に覚えられる量は限られているので、それならできるだけ多くの問題の解き方をみたり、英語や国語などの他の科目にも触手を伸ばしましょう。
大事なことはお子さんの頭の中に少しづつでも正しい知識、解き方が蓄積されることです。
基本的に教科書には正しい情報しか書いていません。
読めないから優しい参考書を使うのではなく、読むために参考書を使ってください。
教科書が読めるようになるという意識を持たなければ成績は上がっていきません。
塾で講師に指導を受けるより時間もかかり、大変だと思うかもしれません。
ですが、その大変さを乗り越えなければ、お子さんはずっと塾のお世話にならなければいけなくなってしまいます。
その大変さを乗り越えるために明確な『勉強の目的』が重要になってきます。
時間が掛かることにもメリットはあります。
勉強時間が長くなるということです。
効率の良い勉強法を謳う方もいますが、それを実践するためにはある程度の基礎学力が前提になっていることも多いですね。
確かに人間の集中力は長く続きません。
特に勉強に慣れていないお子さんであれば、1時間の内、せいぜい10~15分が1、2回あればいい方ではないでしょうか。
短時間で効率の良い勉強がしたいというニーズは良く理解できますし、偶にそれが実践できている優秀なお子さんに出会うこともあります。
ですが、偶にであり、多くのお子さんに向いているとは思いません。
それよりは、自分の持っている時間の多くを教科書を読むことに充てる方が確実に知識は増えていきますし、勉強時間を増やすことができます。
最初は何となく読むだけでも構いません。
不思議なもので人間の脳は勝手に、読んだものを理解しようとしてくれる働きを持っています。一度目は良く分からなくても、二度目に読むと理解できるようになるのもこの働きです。
脳は新しい情報が大好きなのでとりあえず何でも知識を放り込んであげましょう。
但し、一度だけではあまり効果はありません。
先程も書きましたが、脳は新しい情報が大好きなので、新しく入ってくる情報のスペースを確保するために、使わない情報は断片的に記憶の奥底に沈んでしまいます。
沈んでしまった情報を取り出すのは学習において非常に効率が悪いので、沈む前に定期的に一度覚えた情報を放り込んで沈みにくくしていくことが学習した内容を覚える基本です。
覚え方はどんな方法でも構いません。
紙に書きたければ書いてもいいし、口に出したければ出してもいいです。
大切なことは一度で多くのことを覚えようとするのではなく、少しづつでもいいので定期的に同じ内容を覚えるということです。
数学の勉強をしたくない日もあるでしょう。
そんな日は先に英語の教科書を読みましょう。国語の教科書を読みましょう。
社会でも理科でも何でもいいので読んでみましょう。
それも勉強です。
もちろん、バランス良く全ての科目を毎日学習することが理想ですが、
最初からハードルを上げる必要はありません。
ただ、毎日継続しましょう。
私の塾の話になりますが、指導している学生講師は全員医学科生なのですが、ほとんどの講師は学生時代、自分の気に入った問題集を繰り返し解いています。
何回も解けばほとんど内容を覚えてしまうのに、また解く意味があるのかと思われるかもしれませんが、大切な意味しかありません。
良く聞かれる問題とその解法が瞬時に思い出せるレベルまで解く。
分からないから諦める、誰かに聞くのではなく、分かるまで読む。
その繰り返しが学力を高めます。
あまりに難しい問題でそれをやってしまうと時間の無駄でもあり、成績向上につながるとも言えません。
なので、始めの頃は教科書レベルに限定することが重要になります。
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